越中八尾おわら風の盆2日目(2018/9/2)

事前調査で交通事情が悪い、人が多すぎる、歩き回る必要がある、神出鬼没で全く見られない可能性がある、小雨でも即中止などと悪い情報ばかりだったので行くかどうかをかなり迷っていた。

人口2万人ほどの町に全国から25万人が集まるという。富山県内はおろか、石川県金沢市のホテルまで埋まる。毎年終了直後から次の年の予約をする人も多いのだとか。

何故そんなに人が集まるのかよくわからなかったが、富山県No.1の祭りに行かなければカメラを買った意味がないと思い、とりあえずダメ元で行ってみることにした。

「1枚でいいから撮れ高があれば・・・」などと思っていたが、杞憂に終わった。

駐車場は会場から2km以上離れた2ヶ所だけ。

2日目の開始は15:00からで、14:00頃に駐車場に到着。まだまだ道も駐車場もすいていた。大渋滞を覚悟していたので拍子抜け。

駐車場は1000円。別払いかと思っていたがシャトルバス往復分も含まれていた。シャトルバスだけなら500円である。結局、この日使ったお金はこの1000円ぽっきりだった。

シャトルバスは14:00から運行で、乗り場にはかなりの行列、結局乗れたのは14:40頃であった。この頃には駐車場の前が大渋滞になっていた。危ない危ない。

10~15分ほどで4km離れた会場に到着。

自分の最初の目的は日本の道100選にも選ばれた諏訪町本通り、この諏訪町支部の踊りが一番人気らしい。しかし、駐車場から会場まで2km、会場の端から端までは3km、諏訪町本通りは奥の方なので会場の入り口から2.5kmととてもではないが歩いてはこられない。シャトルバスを待っている間に歩いた方が速いのではないかとも思っていたが、坂道も多く、バスを待った判断は正しかった。

シャトルバスの乗降口から500mくらい歩いて諏訪町本通りへ。

すでに15:00をやや過ぎており、すでに踊りが始まっていた。すでに人だかりができており、とてもではないがまともに撮影できない。

11あるうちのどの支部がいつどこで踊るのか、大まかなスケジュールは公表されているものの、細かい場所や時間は一切公開されていない。公開するとそこに人が集中してしまうからだという。

なるほど~とも思ったが納得している場合ではない。1枚も撮影できないのではないかと不安になる。

仕方なく諏訪町本通りの様子を撮影。まだ人が少ないという昼間でこの状態。肝心の石畳の道が見えないではないか。

ひたすら歩き回って目の前で踊りが始まる運に任せるしかないのかと思いつつ、1つの踊りが終わったようなのでとりあえず踊り子達についていく。

すると、少し場所を変えてまた踊り始めるではないか。

なんだ、簡単じゃん。1回で撮影できなくても、一旦終わると人がはけるので、その後ついていって次の踊りを撮影すればいいということに気付く。

このとき、リーダー的な人が踊り子達に次どこでどんな踊りかを指示していたりするのでよく観察するとよい。

ということで、2列目をゲットして撮影したのが次の写真。1列目は座らされるので必ずしも1列目がいいとは限らない。

自分が陣取った場所が真横であることに踊りが始まってから気付く。ま、それはそれで1つの味と思いつつ撮影。

次は隣の町と思い見に行くと、すでに輪踊りが始まっている。先程の花踊りとは違い、輪踊りなら広めのスペースで大人数でやっているので人混みもさほどではなく普通に撮影できた。

個人的な印象だが、女の子は綺麗におめかししてもらったのがうれしいのか一生懸命踊っていた。一方、男の子は友達同士でしゃべりながら半分嫌々踊っている感があるので写真映えしない。

もう一度諏訪町に戻ってみると町流しをやっているっぽい。しかし、すでに通り過ぎた後。多くの人が後ろからついて行っている。

真後ろから撮影してもしょうがないし諦めるしかないかとも思ったが、別の道から前に回り込めば良いことに気付く。

他の道をダッシュして回り込み、前方から撮影することに成功した。

後ろを撮影するのもいいですねえ。

よく見てみると、踊り子達は汗だくだったりする。この日はずっと曇りだったとはいえ、まだ夏の暑さが残っていた。日中は25℃くらいかな。運動するにはまだまだ暑いですね。

連写しまくっていたらすでにメモリカードの容量が危ない。

いらない画像を消していると次の輪踊りが始まった。

菅笠をつけて踊るときとつけないで踊るときの違いがよくわからない。

着物って青年、高校生、中学生で別みたいですね。

なお、踊り子は25歳未満の未婚の男女とのこと。

他の町へ行ってみると、普通に輪踊りに出くわす。

1つも見られなかったとか言う人は夜の部だけ来たのかな?簡単に見られるし撮影も容易すぎて、いらないのをどんどん消さないとメモリカードの容量が不足する。

あっという間に2時間経過して17時を過ぎる。公式スケジュールによると、17:00~19:00までは休憩時間なのでどこの支部も踊らないという。そこで、2番人気らしい鏡町の様子を下見に行く。

おたや階段に座ってみるのが特に人気なのだとか。階段最前列の人はいつから陣取っているんだろう。

しばらくしていると、まさかの踊りが始まる。階段横の展望スポットから撮影。う~む、やっぱり公式スケジュールあまり信用できない。

ずっと上から撮影していてもしょうがないと思い、横道を走って下に降りて撮影開始。人も少ないので容易に撮影できた。この時間はどこも踊ってないと思って食事でもしてる観光客も多いんだろうな。

公式スケジュールでは19時からとかいいながら、18:30からも踊ると発表される。

他の場所に行っても踊っている保証がないので、18:30までこの場で待ち、その後夜の諏訪町本通りに行くことにする。トイレに行った後、18:30まで必死にいらない画像を消す作業(笑)。簡易トイレは何カ所か設置されているが、思いの外遠かったりするので注意。

18:30すぎ、すでにカメラにとって厳しい時間帯となっていた。フラッシュは禁止ということで、f1.8、1/60s、ISO1600~3200くらいで撮影したのが以下。後から考えると1/90sでもよかったかな。高感度に強いカメラなら1/200sとかでもいけるのだろうか。

そうこうしている内に19時を過ぎてしまった。一番の目的だった夜の諏訪町本通りの町流しを急いで見に行く。夜になると観光バスなども続々到着し、諏訪町本通りは移動も困難な状況になっていた。人だらけで状況が全くわからない。とりあえず手を伸ばして上方から撮影し、モニタで周囲の状況を確認する。

どうやら上の方から町流ししながら下ってきているっぽいので、横のすき間を見つけて陣取る。すき間は意外と多いので場所取り自体はさほど難しくない。

しかし、ベテランの人が途中休憩もあるので自分が陣取った場所まで来るのは毎年21時くらいになると言っているではないか。

どうしようかと考えたが、「こちとら富山県民、明日も来年もある。今日は最悪ココだけでいい。」と思い待つことを決断。

そんなに待てないと立ち去る人も多数いて、結局最前列で陣取ることができた。

No.1人気の諏訪町の町流しは30分位前からは付近の移動自体を完全に制限されるため、ずっと陣取っていなければ見ることはできない。陣取る前のトイレは必須である。

2時間以上経過した21:20分過ぎ、ようやく自分の前までやってきた。

以下はf1.8、1/60s、ISO6400で撮影した写真である。ホワイトバランスをいじることもできるが、肉眼で見た場合と同様の色味である。

事前にフラッシュ厳禁と注意されるものの、たく人がそこそこいた。

なんか明かりを持っている風の写真が撮れてました。

通り過ぎた後も油断してはいけない。最前列を確保しながら後をついて行くと、途中で立ち止まって2人の男女がこちら向きで踊ったりするのでシャッターチャンスが訪れる。

20分ほど後終了地点に到着、町流しは完了した。

撮影した写真を確認しつつ歩いていると、何やら人だかりができている。よく見ると民家の中で踊っているのを発見。

しばらく見ていると前の人が飽きていなくなるので、玄関前の一番いい場所を確保することに成功。

民家の中の撮影は少し気が引けるが、「いろんなところで踊っているんだな」と思いつつ遠慮なく撮影させてもらう(※あえてドアを開けて観光客にも公開しています)。

終了時点で22時、シャトルバスは23時まで運行しているのでまだ時間的な余裕はあるが、メモリカードの容量的な余裕がないのでこの日はこれで帰宅することに。

幸か不幸かずっと座って待っていることになったのでさほど歩き回る必要もなく、当初の予想より全然疲れなかった。

帰り間際他の町の踊りに出くわすが、近づけなかった。

正直、来る前まではこれほど感動できるものだとは思っていなかった。他のイベント・祭りとは次元そのものが違う。

八尾の美しい古き町並み、静寂の中を流れる胡弓・三味線・太鼓の音色、優美な踊り、住人達の細やかな気遣い、これらが融合して作られる雰囲気がたまらない。

自然と脳内でおわら節がリピートされるようになる。

「一度来たら何度でも来たくなる」「生で見ると涙が出てくる」などと言われているのが決して大げさではないことがわかった1日であった。

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