5月第3土曜日、念願だった石川県白山市の美川おかえり祭りを初めて撮影することができた。
過去行きたいと思いつつも、5月中旬は富山県で大きな祭りが複数あり、そちらを優先していた。
去年までに富山県の祭りは一通り撮影し終えていたことから、今年は美川おかえり祭りの撮影を想定し、数日前から天気予報とにらめっこ。
美川おかえり祭りは、藤塚神社の春期祭礼で、5月第3土日の2日間に渡って行われる。
前日に1日目の土曜日は1日中快晴と確信、撮影に行くことを決断した。
決断したはいいものの、この祭りの1日目(神幸祭)は朝の5時頃から夜の10時頃まで続くとの事前情報。
ぶっ通しで撮影するのは体力的に厳しいので、見所の1つと思われる午前10時頃の美川駅前での乱舞には間に合うように自宅を出発、結局午前8時半頃に臨時駐車場の1つである美川中学校に到着した。
美川中学校は、1日目の巡行終了地点である高浜御旅所に最も近く100mほどしか離れていないので駐車できるか心配していたが、午前8時半の時点ではスカスカだった。
この日の予想最高気温は25~26℃、熱中症と日焼け対策を万全にして撮影に向かうも、祭りが初見なのに加え、美川に来ること自体が初めてなのでどこへ行くべきかが全くわからない。
とりあえず、多くのまだ準備中の屋台の間を通り、美川駅にやって来た。
13基もあるらしい台車(だいぐるま)が順に駅前を通過していくところだったので、早速撮影開始。
カメラを向けるだけで何も言わなくても笑顔でピースしてくれた愛想のいい子供達。
しばらく台車を撮影していたが、それ以外に大きな動きがない。
この祭りの撮影的メインは御神輿を先導するラッパ隊。
2時間ほど待てば美川駅に集まってくることはわかっていたので、体力の温存も考え日陰で10分ほど待って見たものの暇すぎる。
何にせよ2時間ただ駅前で待っているだけなのもあれなので、一か八か移動してみることにする。
しばらく移動していると、奇跡的に知り合いの大ベテランカメラマンに出くわす。
案内してもらい、ようやく9時半過ぎにラッパ隊の発見に至った。
ラッパを吹きつつ常に後ろ向きで進みながら神輿を先導するラッパ手達。
神輿に背を向けてはいけない的な掟でもあるのだろうか。
そして、旗を振り回す旗士も帯同。
これが非常に激しい動きなので撮影が難しい。
途中、まだ冠雪の残る白山も見えた。
この手の祭りは神輿や曳山メインの祭りが多い中、美川おかえり祭りは人メインなので人を撮影したい自分には最高すぎる。
文句なしの撮影的Sランクの祭り。
10時半、ラッパ隊が一旦落ち着いたところで美川駅前に戻ってきた。
駅前広場には、獅子舞や神輿の乱舞を見るためにすでに大勢の人が集まっていた。
1日見た限りでは、この美川は能登半島地震の被害は全く感じられなかった。
獅子舞披露。
この直前の子供達のパフォーマンスのときにいた保護者がいなくなり、割と自由に撮影できるようになった。
思い返せば、Sランクの祭りの撮影は去年10月、同じ白山市のほうらい祭り以来。
たまたまというか、近場の祭りは過去に撮影済みなので、最近はやや自宅から遠い地域の祭りの撮影が多めで、必然的にそうなった。
白山市にSランクの祭りが2つもあるのは意外だった。
おかえり祭りがSランクであろうことは事前にわかっていたが、ほうらい祭りは軽い気持ちで来てみて初めてSランクであることに気づいた。
もしかすると自分がまだ気づいていないだけで他にもSランクの祭りがあるかもしれない。
石川県の中でも金沢より西側は1年に数回訪れる程度なので、まだまだ未知の部分が多い。
富山県でよく見る百足獅子舞とは異なり、石川県では胴体が大きく動かない獅子舞をよく見かける。
ふと横を見ると神輿担ぎの女性陣が集まっていたので美川駅バックで撮影させてもらう。
再び獅子舞撮影に戻ってきたら、金髪の獅子あやしに変わっていた。
日光に照らされて光る金髪綺麗だな~。
やはりこの手の祭りは快晴に限る。
逆側に移動してみる。
獅子舞は30分ほど続いた。
しばらく空きタイムがあり、11時半頃に神輿が駅前にやってきたので正面で待ち受ける。
神輿担ぎの女性4人の内3人が新人だったぽい。
人口減少による人手不足のため、どんどん女性や子供の参加を促していく方針らしい。
他のどの祭りも、存続を考えるとそういう方向でいかざるを得ないだろう。
まあ撮影的には女性や子供は多いほどよい笑。
神輿と共に旗士も乱舞中。
動きの激しい部分は連写するしかないので、撮影枚数が多くなる。
まだ午前中にもかかわらず、すでに通常の祭りの半分くらいの撮影枚数。
夜まで撮影し続けたら何枚になるのか。。。
ラッパ吹いたことないけど結構な肺活量がいるのかな?
旗を日の丸扇子に持ち替えての乱舞。
一旦設置された神輿が再び動き出す。
12時、街中の巡行を再開。
女性カルテット画になる~。
旗士交代で旗を受け渡すときも神輿に背を向けることはない。
午前は駅の南側を巡行していたが、午後は北側を巡行。
南側はどちらかというと田園風景で白山も見えやすかった。
北側は主に普通の住宅街、1ヶ所だけ白山が見える場所があった。
ラッパ隊は同じ動きを何度も繰り返しながら進むのでシャッターチャンスは膨大。
頻度から考えると1日で少なくとも50回くらいは繰り返すのだろうか。
ラッパ隊の単純な移動距離だけでも1日6kmほど。
撮影にはかつてないタフさが要求される。
まあ撮影は途中で勝手に切り上げればよいだけなのだが。
タフさが要求される祭りを毎年のように撮影するのは自分には困難。
もしかすると今回の撮影が最初で最後になるかもしれない。
後悔しないように撮影し続ける。
女性の担ぎ手が多かったのは本当にラッキーだった。
神輿担ぎが紋付き袴姿の祭りは珍しいとも聞いたが、確かに他の祭りで見たことがないような気もする。
男女問わず紋付き袴姿でカッコイイ~♪
特定の家の前で行われるあんやと(ありがとう)の舞を2回くらいしか見れなかったのは残念。
屋台が並ぶ通りに戻ってきた。
カメラマン以外の一般人はもちろん屋台目当て。
屋台の数もかなり多く、多くの人でごった返している。
そんな一般人をかき分けながらラッパ隊率いる神輿が屋台の間を巡行。
横のラッパ手の背中の襷を握っているのは連帯感があってよい。
12時半、ラッパ隊が休憩に入ったので、自分も一旦クルマに戻って食事休憩。
神輿、台車、獅子舞は別スケジュール、別ルートで巡行しており、ラッパ隊が休憩中でも台車や獅子舞は巡行中なので、長く休憩している場合ではない。
13時過ぎ、とりあえず台車を撮影しにいく。
神輿、台車、獅子舞はそれぞれの居場所がネットでリアルタイムで公開されているのだが、簡素でわかりにくく、特に台車に至っては13基あるうちの先頭の1基しか示されていないのであまり当てにならない。
適当に歩きまわり、たまたま出くわした台車を撮影していく。
13時40分過ぎ、少し遠かったが駅近くまでトイレしに行くと、ラッパ隊が14時の神輿巡行再開に向け、神輿のある地点までちょうど行進を開始するところだった。
早朝以外に行進があること自体全く知らず、行進の撮影は最初から諦めていたのでラッキーすぎる。
今までの経験からしても、規模の大きな祭りでは適当にうろついていると公式のスケジュールには載っていないような撮影チャンスが訪れることがたびたびあるのだが、今回もまさにそうだった。
14時、神輿の巡行が再開されたが、近くを通りかかっていた獅子舞を撮影。
一旦距離が離れると容易にあっちもこっちも撮影というわけにはいかなくなるので、近くに来たときに撮影しておきたい。
駅前で十分撮影はしたが、市街地での獅子舞も撮影しておきたかった。
獅子舞がまた遠くまで行ってしまいそうだったので、ラッパ隊のところに戻ることにする。
途中で出くわした台車も撮影。
他の台車の子供達はすべて私服だったが、1基だけ子供達がいい感じの衣装を着ている台車があった。
船の形の台車が一番カッコイイ。
14時半、ラッパ隊発見。
ここで、多くのラッパ手や担ぎ手の顔が日焼けで真っ赤になっていることに気づく。
若者に日焼け止めクリームの大切さを教えてあげたい笑。
女性陣は神輿担ぎから軍配みたいなものをもつ係になっていた。
15時、太陽の位置も低くなり、順光で綺麗に撮影できるようになる。
16時、これ以上ついていくと車に戻るのも大変になりそうだったので、日中の撮影を終了することにした。
日中の部だけですでに過去最高の枚数をアップしたが、夜の部は別記事で。