富山県では、毎年5月3日に越中八尾曳山祭と井波よいやさ祭りの2つの大きな祭りが行われる。
規模や認知度では越中八尾曳山祭のほうが圧倒的に上だが、すでに過去2回撮影しているので今年はどうしようか迷っていたところ、他の祭りではあまり見られない華神輿(女性神輿)および踊り屋台もあると知り、まだ撮影したことがない井波よいやさ祭りを撮影することにした。
踊り屋台は2009年に一度廃止されたが2019年に復活し、4年前にいなみ灯りアートで一度撮影したことがある。
着物を着た小学生の女の子が屋台の上で踊るという最高レベルの被写体で、撮影的には青空と日光が必須である神輿や曳山と違って曇り空でもさほど問題なく画になるので、雨で中止にでもならない限りは勝利確定。
早速撮影計画を立てようと思うも、この井波よいやさ祭り、全くといっていいほどネット上に事前情報がなく、いつどこに行けば踊り屋台が見られるのか全然わからない。
しょうがないので南砺市観光協会に電話するも主催する井波八幡宮にたらい回し、井波八幡宮に電話しても神輿が午前9時に御旅所を出発することくらいしかわからなかった。
もはや当日勝負と思い、午前8時半頃に御旅所から最も近い井波交通広場駐車場(1日200円)に到着し、観光案内所でパンフレットを入手して確認したところ、踊り屋台は午前8時からと書いてあるではないか。
「もしかしてもう終わったのかな」と泣きそうになりながら一応御旅所に行ってみると、普段いろんな祭りでよく見かけるカメラマンがいて踊り屋台は14時からと教えてくれた。
パンフレットの書き方がかなりわかりづらくて自分が勘違いしていた模様で、午前8時からは獅子舞だった。
結局、御神輿、踊り屋台、獅子舞と一杯撮影できたので、主に午前中に撮影した御神輿編と午後に撮影した踊り屋台・獅子舞編に分けて記事を作成することにした。
午前8時45分頃、自分が出発地点の八日町通り御旅所に到着したときにはすでに総勢200人ほど?の担ぎ手が集まり、出発式が行われようとしているところだった。
男性神輿、女性神輿に加え、男子中学生神輿と女子中学生神輿もある様子。
予定通りの午前9時、学生と女性が担ぐ子供神輿3基と男性が担ぐ重さ1t以上の大神輿2基が10kmにも及ぶ巡行開始。
石畳の坂の八日町通りを一旦上まで登った後、折り返して下りていく。
天気予報では曇りだったが、普通に快晴で撮影的に文句なし。
普段はほとんど人がいない井波のメインストリートである瑞泉寺前の八日町通りに人が密集。
この八日町通りは直線上のやや高所から撮影できるポイントがあるので、望遠レンズで撮影すると圧縮効果も相まって圧巻の光景。
女子中学生の赤い法被も画的に最高。
カメラマンは少ないので場所取りの必要もない。
他の祭りでは巡行するところを直線的かつ高所から容易に撮影できるポイントはあまりないので撮影的に大助かり。
華神輿は担ぎ手を事前に募集し、県内外から40人ほどが集まったらしいのだが、こういう募集があることはどこで知るのだろうか。
大人の女性だけかと思いきや、高校生くらいの子も何人かいた。
男性陣は気合いを入れて黙々と担いでいるのに対し、中学生や女性陣は何やら結構楽しそうに担いでいるのが印象的。
しばらくすると青空がなくなってきたが、日光さえあればあまり空を入れずに撮影すればよい。
肩がこんもり。
9時45分頃、全ての神輿が八日町通りの外へ。
さて、知り合いのカメラマンから踊り屋台が14時からと聞いたものの、どうもそこまで確かな情報ではないらしく、このまま神輿についていっていいのか不安が募る。
コロナ以前は獅子舞や屋台も一緒に巡行していたとも聞いたが、今年は神輿、獅子舞、踊り屋台は別ルートで巡行。
踊り屋台は本当に14時からなのか、だとすれば場所はどこなのか、気になって仕方がない。
巡行の責任者っぽい人に聞いてみても、神輿の巡行経路はわかるが踊り屋台の時間や場所は踊り屋台の責任者でないとわからないという。
でもその踊り屋台の現在地が不明というジレンマ。
10時10分、じっとしているのもあれなので結局神輿についてきたが、すでに出発地点からは300mくらい離れており、多くのカメラマンはもうついてきていない。
すべての神輿が一時的に集合してちょうど区切りのいいこのタイミングで出発地点に戻るかこのままついて行くかの選択に迫られる。
正午頃の休憩までには出発地点から1km以上離れたところまで行ってしまう。
結局、これ以上ついて行くことを断念。
この後どうしようか悩んでいたところ、駐車場まで戻ったところでレンタサイクルができることに気付き、「これだ!」と思って4時間1000円で電動アシスト付き自転車をレンタル。
出発地点に戻っても踊り屋台が行われそうな雰囲気がないので、再び神輿を追いかけることに。
自転車が笑えるくらい快適で、わずか2、3分で再び神輿に追いつき撮影。体力の消費もほぼない。
実は神輿に追いつく途中で獅子舞も見かけて撮影したのだが、あまりいいのが撮れなかった。
いずれにしても自転車によって行動範囲が各段に広くなり、かなり安心する。
12時過ぎ、神輿が出発地点から最も離れたところにまで到達して休憩に入るところで自分は出発地点に戻ることにした。
5分程度で駐車場にまで戻ってきたところでついに準備中の踊り屋台発見。
巡行予定表をスマホで撮らせてもらい、12時半開始で17時半まで各所を回りながら踊ることを確認して一安心したのであった。
後編となる踊り屋台およびその後の獅子舞の様子は次記事で。